調査物語

アルミ樹脂複合サッシのデメリット

住宅営業マンが誤解して顧客に伝えている「アルミサッシの誤解」を整理したいと思います。
住宅営業マンが良く言うアルミサッシの誤解とは「アルミ樹脂複合サッシは結露をしない」です。それを論じる前に、まずは全体像を把握するためにサッシの種類について説明します。
サッシは大きく分けて以下の4つに分類できます。
 ①木製サッシ
 ②オール樹脂サッシ
 ③アルミ樹脂複合サッシ
 ④オールアルミサッシ
そして断熱性能は①の木製サッシが一番高く、④のオールアルミサッシが一番低くなっています。
現状④のオールアルミサッシについては殆どのハウスメーカーは使用しておらず、建売業者がつくった格安仕様の建売で稀に使われているイメージです。基本的に今のハウスメーカーでは、③のアルミ樹脂複合サッシが標準で採用されています。

このアルミ樹脂複合サッシについて知識のない住宅営業マンの場合は、必ずといっていいほど「アルミ樹脂複合サッシは耐久性の高いアルミと断熱性の高い樹脂を組み合わせて作られたものです。そのため耐久性と意匠性の両立ができ、”結露もしません”。」と説明しています。
しかし、この営業トークは半分正解で、残り半分は不正解です。アルミ樹脂複合サッシは耐久性や強度が高く、確かに地震大国である日本向きのサッシではあります。またアルミという強度の高い素材を使用することからサッシを細くでき、それにより建物の意匠性を上げることが可能になるのです。
但し、デメリットが2つ存在します。

まずアルミ樹脂複合サッシ1つ目のデメリットは「結露」するという事です。
というのも、実はアルミ樹脂複合サッシは外気と室温の温度差が20度の場合、室内の湿度が52%以上になると結露し始めるのです。因みにオール樹脂サッシは外気と室温の差が20度の場合、室内の湿度が73%以上になると結露し始めます。

そしてアルミ樹脂複合サッシ2つ目のデメリットが「コールドドラフト」が起きるという事です。
冬場、アルミ樹脂複合サッシのアルミ部分によって冷やされた空気というのは、床を這うようにして空気が流れて行きます。その結果、足元の寒さを感じることになります。
そのため床下の断熱材を厚くしたり、基礎断熱にしたりして床の底冷えを防ぐことも重要なのですが、実はサッシ部分にもしっかり意識を向けなければ床の底冷えを完全に防ぐことができません。しかし、対策もせず、考えなしに力技で床暖房を入れて解決しようとする方が結構多い印象です。床暖房を入れる為に40万~60万円を使うなら、床下の断熱材の強化や窓の強化に費用を充てた方が効果的かつ効率的だと思います。実際はその様な提案はほとんどの人がしていない、というのが住宅業界の実情です。
という2点がデメリットとして存在しています。
アルミ樹脂複合サッシのデメリットに皆さんご注意下さい。

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