設計事務所の全国件数は、個人40,302件、法人59,740件。事務所別では、一級建築士事務所74,732件、二級建築士事務所25,095件、木造建築士事務所215件。合計約10万件を数える。この数は、コンビニ約5.8万件、神社約8.1万件よりも多い。この設計事務所の頂点に立っているのが、日経アーキテクチュアの「設計事務所白書2022」によると、日建設計(売上高47,977百万円)で、次いでNTTファシリティーズ(売上高21,133百万円)、三菱地所設計(売上高19,922百万円)が続いている。日建設計は2位以下を大きく引き離してダントツ1位である。
建築用途別にみると、日建設計は、事務所、スポーツ施設、宿泊施設、文化施設、倉庫・物流施設の用途で1位。その他の用途別では、庁舎が山下設計、商業施設がJR東日本設計、医療・福祉施設が内藤建築事務所、教育・研究施設が類設計室、生産施設がNTTファシリティーズ、住宅が日企設計。それぞれが1位となっている。日建設計が売上高で1位になっている理由は、得意な事務所で21,996百万円(総売上高の45.8%を占めている)の売上高を計上していることにある。
我が社のACTマーケティング(設計事務所へ建材や設備のPR活動)でも、日建設計へPRして欲しいと言った声が多い。業界NO.1だから当然と言えば当然である。しかし、日建設計は、組織が建築用途担当別、プロジェクト別に分かれていることから、商品をPRする担当者が多く、どの部署の誰がキーマンなのかが分かりづらい。従って、日建設計を攻めるには時間がかかる。またキーマンを発見して面談を交渉するには、それなりの仕掛けをしなければならない。
我が社が日建設計を攻める場合は、日建設計が抱えている計画物件を明確にしてから攻めている。例えば、ガラス意匠建材を文化施設に採用してもらうためにPR活動を行う場合、まず、我が社のKJ-NETから文化施設の計画物件情報を抽出して、その計画物件の担当部署を電話で確認する。計画物件を明確にしておかないと、担当部署へ電話をつないでもらえない。電話をつないでもらったら、計画物件の担当者を確認し、商材のPRをするよりも商材が計画物件のどの空間に最適なのかを説明し、そのプレゼンをしたいと説明する。メーカーが直接連絡すると売り込みと思われてしまうが、我が社が連絡する場合は、第三者的立場なので、思いのほかスムーズに会ってもらえる。
今、日建設計が抱えている9月時点で分かっている10月以降着工の計画物件数(構想・基本設計・実施設計)は36件。その内東京の主な物件名称は「TOKYO CROSS PARK構想(内幸町1丁目街区再開発計画サウスタワー)」「新宿駅西南地区開発」「Shibuya Upper West Project(東急百貨店本店)」「内閣府新庁舎」「早稲田大学西早稲田キャンパス52・53・54・59号館建替計画」が挙げられる。これらの物件に商材をPRするなら、我が社のACTマーケティングを活用することをお勧めする。一方、日建設計も新しい商材の情報を探している。