お盆も終わり、9月を目前にしながらも残暑が厳しい日々が続いております。そんな中にあっても弊社は設計事務所の建築士様が必要視する建材、設備機器について把握/理解し、建材メーカー様や設備機器メーカー様へ提案する為に訪問ヒアリングを続けております。
新規のアポ先でひたすら待つ
とある大手組織系設計事務所の部長様に新しい設備機器の評価を伺う目的で新規でアポイントを取り、お会い頂ける段取りを付けました。その時の自分の心境は単純に「嬉しい」という感情と、どのような評価になるのか「不安」に思う気持ちが交錯します。これは、今までずっと変わらない事ですが、大抵の場合は大きな問題もなく、以降も継続してお会い頂けるような関係を築いてきました。今回、商品評価を伺う商品は設備機器なので本来はカタログだけの持参ですが、自分なりに他社製品との仕様比較表を作成して、比較検討しやすいように簡単な資料も作成しました。準備万端で先方に赴き、エントランスの受付の女性に訪問先と要件を伝えて、ヒアリングするポイントを頭の中で再度整理します。先方からの質問をシュミレーションして、もし意見を求められたらこう答えて、と色々考えますが、部長様は一向に現れない。受付の方が「前の会議が長引いているようでして、終わり次第直ぐ向かうとの事ですので、もう暫くお待ち頂けますか?」と気遣ってくれます。私は「時間は全然大丈夫です。有難うございます」と伝えて、待ち続けます。もう30分以上待っているけど、本当に来てくれるのだろうか。先方の為にも出直した方が良いのか。いや、ここで帰ったらもう会えないかも知れない。自問自答しながらひたすら待ち続ける事にしました。
誠実で実直な対応に頭が下がる思い
それから少しして、辺りを伺いながら歩いてくる男性が一人現れ、「ベーシックさんですか?」と聞かれました。私は直立して「はい、お忙しい所すみません。」と言い、招かれるままに会議室へついていきます。部長様は「どうもすみません、お時間を大幅に過ぎてしまい…」と詫びながら入室して名刺交換を済ませ、お互いソファーに座ります。
私は改めて会社案内からさせて頂きたいと伝え、弊社の案内をし、設備メーカー様の商品開発のお手伝いをさせて頂いており、今回はこの設備機器について忌憚なきご意見を伺いたいと考えております、との説明でヒアリングが始まります。先方も、「この人はどんな会社の人で、私から何が知りたいのだろう・・・」という表情です。
端的かつ客観的なヒアリングを心掛ける
ヒアリング時は、相手に合わせて話し方・話すスピードとテンポ・言葉の抑揚を加減しますが、それよりも「何が知りたいか・ポイントは何処か」を最大限に意識します。建築士もその点を一番に探ってきますので、話に無駄がない事、
それなりの知識を有している事も伝えながらヒアリングします。そうしていく内に、「あぁ、そういった商品は実務ではあまり採用した事はないですね。知人の邸宅を設計した時に、施主要望として採用した事はありますが・・・」といった感じで会話が走り始めます。そういった感じで会話を弾ませ、意気投合出来るように会話を続けていきました。
継続的な関係性の構築が最重要
色々とヒアリングを続けていき、それなりの時間が経った事もあり、話を切り上げる事にします。「今回、色々とお伺いさせて頂いたお礼というのもおこがましいのですが、他の建築士様は、住宅用の商品を非住宅用で展開するには商品そのものだけでなく、副資材のラインアップ拡充も重要と伺いました」といったこぼれ話もします。どの建築士がどんな建材を使用したか、どういう要素を重視するか、そういった情報提供もする事で互いの距離が近づく気もします。中々お会い出来る方でないからこそ、そういったご縁は大切にしたいとも思いますし、弊社の財産に繋がっていく気がします。【担当:相馬 義輝】