災害などが起きると度々「TEC-FORCE(テックフォース)が派遣された」などニュースで目にすることがある。筆者自身、国土交通省の1組織と言う認識はあるものの、具体的にはわからない部分があった。そこで今回はテックフォースとはどのような組織なのかを皆様と共有したいと思う。
主な特徴と活動
テックフォースは、国土交通省が2008年に創設した緊急災害対策派遣隊になる。大規模な自然災害が発生した際、または発生する恐れがある場合に、被災自治体を技術的に支援する役割を担っている。
河川班、道路班、砂防班などに分かれた上でさらに「先遣班」「現地支援班」「情報通信班」「高度技術指導班」「被災状況調査班」「応急対策班」などの活動で分かれている。
具体的な任務は「被災状況の迅速な把握」「被害の発生および拡大の防止」「被災地の早期復旧」であり、テックフォースの活動により、被災地の救命救助活動の促進や被害の最小化、早期復旧が図られている。
例えば、東日本大震災発災後約8ヶ月間にわたり延べ18,115人/日の隊員が派遣されたという。また能登半島地震では発生以来、2025年2月現在も継続している。
専門知識を持った隊員
先述の通り、テックフォースの隊員は国土交通省の職員から指名される形で選ばれている。具体的には以下のような特徴がある。
普段の業務:隊員は通常、各地方整備局で河川や道路の管理、整備などに従事している。
専門性:それぞれの職員が持つ専門知識や技術が、災害時の支援活動に直接活かされるよう選ばれている。
多様性:河川、道路、砂防などの専門分野別や、宅地建物担当、後方支援、広報担当などの支援業務別に、様々な分野の職員が指名されている。
規模:2024年4月現在、約17,000名の職員がテックフォース隊員として指名されており、これは創設当時(2008年)の約6倍の人数となり、活動が広範囲・多様な災害に対応できる体制が整えられた。
隊員に選ばれた後は、被災状況調査に必要な資機材の使用方法や危険箇所への対応などについて研修を受け、実際の活動に備えているという。


災害が発生した危険な現場に赴くことも多い。
二次災害にも注意しつつ活動を支援している。
「TEC-FORCEの主な支援内容」
国土交通省発行 一般向け配布資料より抜粋
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