政府は新型コロナウイルスの感染症法上の分類を5月8日に「5類」に引き下げ、季節性インフルエンザと同じ分類になります。これにより、ようやく平時の社会経済活動に戻れるようになります。この新型コロナ下においては在宅勤務、テレワークが定着、結果的に自宅で過ごす時間が多くなりました。また近年円安の進行や原材料の価格が高騰したこともあり、数々の経済指標にも影響を及ぼしました。そこで今回は2022年における白物家電機器市場の動向について解説します。
2022年の白物家電機器は2年ぶりの増加
日本電機工業会によると、右表に見るように2022年(2022年1月~12月)の国内における白物家電機器の出荷額は、対前年比102.6%の2兆5,723億円となりました。2年ぶりの増加となり、1991年に次ぐ高い伸び率を示しました。
2022年は春に発生した中国・上海のロックダウンの影響がありましたが、解除後は生産、供給の正常化が進み、記録的な猛暑もあり、出荷が伸びました。また主要メーカーが原材料価格の高騰を受け相次いで値上げに踏み切ったことで、金額ベースでは前年を上回る伸びを示した格好となりました。
ルームエアコン、洗濯機の平均単価が上昇
白物家電を製品別にみると、出荷額に占める割合が大きいルームエアコンが101.7%の増加で7,770億円となりました。洗濯機は101.3%の3,983億円となり、過去最高を記録しました。
出荷額を出荷台数で割って平均単価をみると、ルームエアコンが8万5777円(2021年は8万1491円)、洗濯機が9万1083円(2021年は8万4537円)となり、いずれも2021年を上回る結果となりました。
メーカー側は高機能性を訴求
メーカーでは消費者が値上げを受け入れられるよう、高機能製品に力を入れ、家電需要を喚起しています。特に共働き世帯の増加を受け、家事の時短やストレス軽減に貢献する製品が支持されています。例えば洗濯機では乾燥機能が付いたドラム式洗濯機が伸びているのもその一例を示しています。大手家電量販店では、多少初期コストが高くても長く使うことを見越して省エネ性能が高い製品が売れているとしています。
食品価格や電気・ガス代の値上げが高騰する中、新たな生活スタイルに合致した製品を生み出していけるかが、市場動向を占ううえでカギとなります。
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(担当:鈴木 和雄)
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